図1のような症例でクラウンを短期間で左右対称に作るには、まず隣在歯の側面を少し削って幅
径を同じにします。削合する量がエナメル質の範囲内であれば歯がしみたりすることはありません。さらに歯肉の形態が左右非対称な場合は、歯肉の整形をして歯の長さが同じになるようにします(図2)。次に仮歯を調整して左右の歯の形態のバランスを確認します(図3)。形態に問題がなければ、歯型を採得してセラミッククラウンを作製します。
図4はセラミッククラウン装着後(術後)です。術前と比較すると左右のバランスがとれて見た
目がきれいになっています。
矯正治療でゆっくりと隣在歯を移動させてクラウンを装着するスペースを確保する方法もありま
すが、今回の症例のように隣在歯の形態修正や歯肉の整形のみで短期間に審美的回復が可能な場合もありますので、治療方法については歯科医とよく相談して決めましょう。