お知らせ・コラム

差し歯の根元の変色を改善させる治療方法は?

前歯にセラミックを入れたのに、歯肉が痩せて根元から変色した歯質が露出して見た目が気になるというお問い合わせが多くあります。経年的に歯肉が痩せることは加齢減少の一つなのでやむを得ない場合がありますが、歯肉が痩せてもセラミックがきれいに見えるようにしたいものです。 そもそもセラミックを入れた歯の根元が茶色く見える原因は、神経の無い歯が茶色く変色しやすいことにあります(2007年11月コラム参照)。さらに神経を取った歯に補強としてメタルコアが入っていると、より一層色調が暗く見えます(図1)。 一般的な治療方法としては、歯の根元まで完全に覆えば変色が隠れるため歯質の変色を残したままセラミックを装着することがほとんどです。しかし歯の変色は歯根部にまで及んでいることが多いため、歯をセラミックで完全に覆っても歯肉が暗く見えることがあります。また経年的に歯肉が痩せてしまい変色した歯質が露出することも否めません。 そこで当院では変色した歯に対して、可能であれば他の医院ではほとんど行っていない歯根の漂白処置という、きれいに見せるための下地作りをしてからセラミックを装着するようにしています。 治療の流れは、セラミッククラウンと内部のコア材を全て除去し、内部の歯質に特殊な処理をしてから漂白剤を填入します(図2~4)。漂白後、歯に近い色調と物性のファイバーポストコアを接着し形態修正後(図5)、歯型を採得してセラミッククラウンを作製します。完成したセラミッククラウンを試適して色と形態に問題なければ専用の接着材でセラミックを装着して完了です(図6)。このようにクラウン内部の目立たない部分にもこだわることによって、長期にクラウンの美しさが保てるように心掛けています。 歯の漂白は変色の度合いによっては2~3回かかりますが、後々のことを考えれば多少通院回数が多くなってもやった方が良いと思います。ただし歯質の残存量によっては漂白が出来ないケースもありますので、気になる方は受診していただければと思います。

図1 歯頸部の変色の典型例メタルコアがあると変色がより強くなる 図1 歯頸部の変色の典型例 メタルコアがあると変色がより強くなる

図2 術前右上中切歯の差し歯の根元に変色が見られる 図2 術前 右上中切歯の差し歯の根元に変色が見られる

図3 セラミックとコア除去後歯質が茶色く変色している 図3 セラミックとコア除去後 歯質が茶色く変色している

図4 漂白後歯根部まで漂白すると歯肉が明るくなりやすい 図4 漂白後 歯根部まで漂白すると歯肉が明るくなりやすい

図5 コア接着後歯に近い色調のファイバーポストコアを接着 図5 コア接着後 歯に近い色調のファイバーポストコアを接着

図6 術後術前と比較して歯肉の色も改善している 図6 術後 術前と比較して歯肉の色も改善している

診療項目

山手通り歯科
住所
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-16-8 Yファームビル3F
アクセス
東急東横線、東京メトロ日比谷線の『中目黒駅正面口』改札を出て山手通りを左に進み徒歩2分

03-5768-5517
(完全予約制 / 当日診療は事前にお電話ください)

日・祝
09:30~13:00 × ×
14:30~20:00 × ×

※受付は診療終了時間の30分前まで

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