歯石を取ったら「歯間に隙間ができた」、「歯肉が痩せてきた」と心配される方がいらっしゃいますが、心配することはありません。
歯石は歯ブラシの届きにくい歯間部や歯頸部に付着しやすく、歯の隙間や窪みを埋めるように付着します(図1)。
歯石を除去すると、歯間に隙間が出来たり舌触りがデコボコしたりする感覚がありますが、歯石を除去することで本来の歯の形が現れてきただけなのです(図2)。
歯石を除去し歯磨きをきちんとすると、歯肉の腫れが改善し引き締まってきます。これは歯肉が痩せてきたと感じる原因ですが、歯科での定期的な管理をして歯肉が健全に保たれていればこれ以上痩せることはありません。むしろこのままお口の中を歯石の付いた不潔な状態で放置するほうが、長い目で見ると歯周病が進行して歯肉が痩せていく原因となります。
歯周病は読んで字のごとく、歯を支えている周囲の骨や歯肉が破壊される病気です。通常痛みを伴うことがほとんどなく、本人の気が付かないうちにゆっくりと進行していく病気です。自覚症状としては歯肉からの出血や歯の動揺、さらには口臭などがあります。痛みがないから大丈夫だと思っていても歯周病が進行している場合がありますので、定期的に歯科の受診しお口の中を健康に保ちましょう。
図1 歯石除去前.歯間部や歯頸部に歯石が付着している
図2 歯石除去後.歯肉の炎症がとれて歯間部の隙間が大きくなることがあるが問題はない