歯根の先端や側面が外側から溶けて無くなっていく現象を歯根の外部吸収といいます。
乳歯から永久歯に生え代わる時期に乳歯の歯根が溶けて無くなるのも外部吸収ですが(図1)、生理現象ですので問題ありません。
病的な外部吸収の原因をいくつか挙げてみます。
①外傷により歯に強い衝撃が加わると歯根の側面が吸収することがあり(図2)、歯が折れやすくなります。
②歯の矯正で過度な力が持続的に加わると歯根の先端が吸収して無くなり、歯根が短くなることがあります(図3)。
③ 歯の移植や再植で歯根の表面にある歯根膜という組織に障害が起きると歯の定着がうまくいかず、歯根が吸収して骨に置き換わり(図4)、最終的には抜歯になるケースがあります。
外部吸収を止める方法は、矯正については過度な矯正力を適正な矯正力にすることで歯根吸収は抑制できますが、外傷や移植・再植による歯根吸収は対処できないことが多く、最終的には抜歯になるケースが少なくありません。

図1 永久歯萌出時期の乳歯歯根の外部吸収

図2 外傷によって歯根の側面(矢印)が吸収し、数年後に歯が折れた症例

図3 矯正の過度な力により中切歯(矢印)の歯根が短くなっている症例

図4 歯の再植で近心根(矢印)に外部吸収が起きた症例
