電動歯ブラシは現在、多くの製品が市販されており、軽量化やスリム化などの改良によって使用感が向上し、広く普及しています。
最近の主流は「音波歯ブラシ」と呼ばれるタイプで、ブラシが毎分3万回以上振動することで、毛先が届きにくい奥歯の間の歯垢まで効果的に除去できるとされています。価格帯は5千円〜5万円と高価ではありますが、販売数は好調のようです。
さて本題ですが、「電動歯ブラシと手用歯ブラシのどちらが歯垢をより効果的に除去できるか」という疑問について、音波歯ブラシと手用歯ブラシ(図1)を比較した多くの実験では、音波歯ブラシの方が歯垢除去率が高いと報告されています。ただし、音波歯ブラシであってもすべての歯垢が完全に除去できるわけではなく、歯間部などに強く付着した歯垢は残る場合があります。
ある研究によると、音波歯ブラシの歯垢除去率は平均約70%、手用歯ブラシでは平均約60%とされています。しかし、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具(図2)を併用することで、歯垢除去率は平均95%まで飛躍的に向上します。つまり、どちらの歯ブラシを使用する場合でも、虫歯や歯周病の予防には補助清掃用具の併用が不可欠です。
電動歯ブラシは非常に便利な道具ですが、正しい使用方法を習得していなければ、期待される効果は得られません。まずは手用歯ブラシで正しい磨き方を身につけた上で、電動歯ブラシを活用することをおすすめします。

